「家紋を擬人化」ってなんやねん

家紋無双」がクラウドファンディングで初日7時間半で目標達成した後、メディアリリースも出されて、徐々にその知名度が広がってきており、大変嬉しく思っております。

ありがとうございます。


主にTwitterでの拡散が多いのですが、私もチェックしていると、もちろん好意的なご意見も多い家紋無双のですが、一方で批判的な意見があるのも事実です。
私としては「やっぱそう思うよね」という印象です。
っというのも、私自身も「家紋を擬人化ってなんやねん」と正直思うところもあります。
『刀剣乱舞』が出てきた時も、「何でもかんでも擬人化ってどうなの」と思ってました。
その後、続々と目立つ擬人化モノが増えてきてます。
そこで「家紋まで擬人化!?」という反応。そうだよね、と私も思います。
他の擬人化モノについては私は詳しくないので何とも言えないのですが、気づけば擬人化が溢れてきている今の世の中にも少し慣れてきた自分がいるのも確かですし、今の世の中の流れに物申したところでそれが止まるわけでもないし、私にそんな力も無い。
流れに身を任せるのも良いんじゃないのか?
そんな思いも正直あります。
他の擬人化モノもそうだと思いますが、中身までしっかり見て頂けると納得頂けると私は思っています。


そもそも「擬人化」というものは人が大昔からやってきたことです。
こんなことを言うと問題があるかもしれませんが、世界の神話に登場する神々はそもそも自然を神格化したもので、神格化とはいわば、擬人化に似ています。というか、私は擬人化だと思っています。
自然という人知を超えたもの。目に見えない得体の知れない力。説明が付かないような事象。
これらは現代では科学で説明出来ることも多いですが、大昔の人たちからしてみれば、人では無い大いなる力であると感じたでしょうし、それを神とするのも頷ける気がします。
日本は八百万の神々という概念がありますし、これは全てのものに神が宿っているという考え方です。
付喪神(九十九神)という神は使い古された道具に神が宿るという考えで、これが『百鬼夜行絵巻』のようなものを作り出します。
これは都の外に捨てられた道具が問題になっていたことから生まれた当時のエコロジー概念です。
擬人化と言えば『鳥獣戯画』は有名ですし、今も親しまれています。


そして家紋は例えば、実際に存在する植物の特性に意味などを持たせ文様化し、それを一点集中のアイコン化したものが紋です。
日本は非常に簡略化することを得意とする文化を現代まで築いてきています。
例えば絵画にしてもイラストにしても写実的なものが海外では非常に多いです。
近代では写真なのか絵なのか分からないレベルの写実的な絵を描く人も海外に多いです。
アメコミにしてもコミックの表紙はやけにリアルだし、ファンタジーのイラストなどもリアルなものが非常に多いです。
一方日本ではマンガやアニメなどを見るとその絵のベクトルがそもそも違っていることがよく分かります。
鳥山明氏の絵を見ても元々は劇画調で描かれていた絵が、徐々に簡略化されて、素晴らしいバランスの絵を描かれるようになりました。


このような「擬人化」と「アイコン」の文化を組み合わせたものが今回の「家紋無双」です。
一からのスタートであったため、至らないことも多々あります。
しかし「家紋無双プロジェクト」はまだ始まったばかりです。
今後の展開にも注目して頂けると幸いです。


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プロフィール

森本勇矢

Author:森本勇矢
京都市在住。41歳。
本業である染色補正の傍ら家紋研究家として活動する。
一般社団法人京都家紋協会代表。
京都家紋研究会会長。
日本家紋研究会副会長。
月刊『歴史読本』への寄稿をする他、新聞掲載・TV出演など。
著書『日本の家紋大辞典』(日本実業出版社)
家紋制作、家系調査などのお仕事お待ちしております。
ご連絡はFacebook、Twitter、Instagramなどからお願いします。

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