中岡慎太郎の「綿」の紋は実なのか花なのか
中岡慎太郎の独占紋として有名なのが「綿の実」紋である。

稀少紋としても有名で形状はこの一つのみである。
紋帖で「綿」という項目が存在するが、これは器材紋に属する「結綿(ゆいわた)」と呼ばれるものであり植物の綿ではない。
※「結綿」とは真綿の中心を結び束ねたもので祝い事に用いられる。神前への供えや婚礼の進物として用いられた。
さて、この紋だが、インターネットで調べてみると非常に不可思議である。
紋帖では存在せず、ごく一部の家紋図鑑などに載るが、その多くは「綿の実」として掲載される。
しかしネット上では「綿の花」と表現しているところも少なくない。
これでは一体どっちが本当なのか分からなくなってしまう。
実際、私も「どっちが本当なんだ?」と首を傾げてしまった。
様々な人にご意見も伺ったが、その答えもはっきりしない。
「~だと思う」である。
自分としては「~だと思う」ではなく「である」と確証が欲しかったのだが、その答えは得られなかったのだ。
これは改めて自分で調べてみる必要があると思い早速調べてみることにした。
私の職場は実家だ。私の母は植物が非常に好きで屋上で様々な植物を育てている。
私が子供の頃、母が「綿」も育てていたのを思い出し、母にこの紋を見せ、意見を聞いてみたがやはり大した情報を得られなかった。
因みにこの時には綿は無かった。
実物が見れないのでインターネットで調べてみることにした。

花の形状が上記の写真の通りではあるが、組み合った感じがそれっぽい。
確かに言われてみるとそう思えるようでもあるが、しかし何か符に落ちない。
さらにGoogleの画像検索で調べてみたが、綿の実の写真を見る限りでは家紋のような雰囲気にはとても見えないのだ。
そんな中、こんな写真(下記参照)が見つかった。どうやら綿の実がはじけて間もない写真のようだ。

あれ? これ家紋に似てないか?
漠然とそう思えた。
そもそもほとんどの綿の実が4つに別れているが、これはたまたま3つだったので、自分で無理やり納得しようとしてるだけでは?
という思いも巡ったが、自分の中で結論は出始めていた。
綿の実の家紋は弾けるところをデザイン化したものでは?
我が師匠(高澤等氏)に尋ねると、確かにそうかも知れないと。
でも確証もてないよね。と。
これを一つの説として立てておくのも良いかもしれないが、ここは是非真実が欲しい。
そこで私は思い切って電話してみることにした。
どこかって?
http://www.nakaokashintarokan.net/
ここです。
中岡慎太郎館。
電話して質問を早速してみた。
受付の方しかおられなかったが、謎は解けた。
私:「中岡慎太郎氏の家紋は『綿の実』と様々な文献を見ても書いてあります。そのことからも「綿」を用いていることは間違いないのでしょうが、極まれにですが、「綿の花」と解説されている場合もあります。これは『どのような状況を表しているのか分かりますか?」
受付の女性:「綿の実が弾ける様を家紋にした、と聞いております」
自分の説は正しかったようです。
この答えを聞いたときは飛び跳ねるほどに嬉しかった。(実際にはニヤッと不適な笑みが出たくらいだが)
なぜ、中岡慎太郎は「綿の実」を家紋に選んだのか?
この質問に関しては知らないということだった。
担当(?)の方が不在だったためこれ以上は分からなかった。
後にまた聞こうと思っていたが、現状ではまだ聞けていない。
木綿は
「明治以降、政策により綿布の生産が強化されたこともあり、1930年代には輸出量が世界一となった」
という事実がある。
以降の生産は衰退するのだが、
中岡慎太郎が存命の時期は綿のその生産性に「財産」の象徴と見たのかも知れないし、世界に対して発信しているという「綿」を日本の象徴と見たのかもしれない。
弾ける様を紋章としたのは明治維新を象徴した爆発的に日本が変わるという意味合いなのかもしれない。
因みに今回掲載した紋形は微妙に本来の「綿の実紋」の形状とは違っている。
以前、父が中岡慎太郎の着物に付く「綿の実紋」を実際に見て、それを写生したと言っていた。
「形状が少し違っているので、また修正してくれ」
と言われている。
私の『家紋図鑑』ではこの修正した本来の形状の「綿の実紋」を掲載しようと考えている。
【綿の実(わたの実)】
綿はアオイ科の多年草。種子から生じる白い綿毛が繊維として利用される。家紋は綿の実がはじける様をデザインしたものである。
今回のブログは以前にmixi日記で書いたものを加筆修正したもの。
ARK@遊鵺

稀少紋としても有名で形状はこの一つのみである。
紋帖で「綿」という項目が存在するが、これは器材紋に属する「結綿(ゆいわた)」と呼ばれるものであり植物の綿ではない。
※「結綿」とは真綿の中心を結び束ねたもので祝い事に用いられる。神前への供えや婚礼の進物として用いられた。
さて、この紋だが、インターネットで調べてみると非常に不可思議である。
紋帖では存在せず、ごく一部の家紋図鑑などに載るが、その多くは「綿の実」として掲載される。
しかしネット上では「綿の花」と表現しているところも少なくない。
これでは一体どっちが本当なのか分からなくなってしまう。
実際、私も「どっちが本当なんだ?」と首を傾げてしまった。
様々な人にご意見も伺ったが、その答えもはっきりしない。
「~だと思う」である。
自分としては「~だと思う」ではなく「である」と確証が欲しかったのだが、その答えは得られなかったのだ。
これは改めて自分で調べてみる必要があると思い早速調べてみることにした。
私の職場は実家だ。私の母は植物が非常に好きで屋上で様々な植物を育てている。
私が子供の頃、母が「綿」も育てていたのを思い出し、母にこの紋を見せ、意見を聞いてみたがやはり大した情報を得られなかった。
因みにこの時には綿は無かった。
実物が見れないのでインターネットで調べてみることにした。

花の形状が上記の写真の通りではあるが、組み合った感じがそれっぽい。
確かに言われてみるとそう思えるようでもあるが、しかし何か符に落ちない。
さらにGoogleの画像検索で調べてみたが、綿の実の写真を見る限りでは家紋のような雰囲気にはとても見えないのだ。
そんな中、こんな写真(下記参照)が見つかった。どうやら綿の実がはじけて間もない写真のようだ。

あれ? これ家紋に似てないか?
漠然とそう思えた。
そもそもほとんどの綿の実が4つに別れているが、これはたまたま3つだったので、自分で無理やり納得しようとしてるだけでは?
という思いも巡ったが、自分の中で結論は出始めていた。
綿の実の家紋は弾けるところをデザイン化したものでは?
我が師匠(高澤等氏)に尋ねると、確かにそうかも知れないと。
でも確証もてないよね。と。
これを一つの説として立てておくのも良いかもしれないが、ここは是非真実が欲しい。
そこで私は思い切って電話してみることにした。
どこかって?
http://www.nakaokashintarokan.net/
ここです。
中岡慎太郎館。
電話して質問を早速してみた。
受付の方しかおられなかったが、謎は解けた。
私:「中岡慎太郎氏の家紋は『綿の実』と様々な文献を見ても書いてあります。そのことからも「綿」を用いていることは間違いないのでしょうが、極まれにですが、「綿の花」と解説されている場合もあります。これは『どのような状況を表しているのか分かりますか?」
受付の女性:「綿の実が弾ける様を家紋にした、と聞いております」
自分の説は正しかったようです。
この答えを聞いたときは飛び跳ねるほどに嬉しかった。(実際にはニヤッと不適な笑みが出たくらいだが)
なぜ、中岡慎太郎は「綿の実」を家紋に選んだのか?
この質問に関しては知らないということだった。
担当(?)の方が不在だったためこれ以上は分からなかった。
後にまた聞こうと思っていたが、現状ではまだ聞けていない。
木綿は
「明治以降、政策により綿布の生産が強化されたこともあり、1930年代には輸出量が世界一となった」
という事実がある。
以降の生産は衰退するのだが、
中岡慎太郎が存命の時期は綿のその生産性に「財産」の象徴と見たのかも知れないし、世界に対して発信しているという「綿」を日本の象徴と見たのかもしれない。
弾ける様を紋章としたのは明治維新を象徴した爆発的に日本が変わるという意味合いなのかもしれない。
因みに今回掲載した紋形は微妙に本来の「綿の実紋」の形状とは違っている。
以前、父が中岡慎太郎の着物に付く「綿の実紋」を実際に見て、それを写生したと言っていた。
「形状が少し違っているので、また修正してくれ」
と言われている。
私の『家紋図鑑』ではこの修正した本来の形状の「綿の実紋」を掲載しようと考えている。
【綿の実(わたの実)】
綿はアオイ科の多年草。種子から生じる白い綿毛が繊維として利用される。家紋は綿の実がはじける様をデザインしたものである。
今回のブログは以前にmixi日記で書いたものを加筆修正したもの。
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