曹洞宗金龍山清源寺と明田氏

我が家の家紋は割梅鉢という。これは梅鉢紋の中心を刳り抜いた紋。
自分の家のルーツを追うとともに梅鉢紋の謎も追っている。
割梅鉢

この割梅鉢に似た紋である割六つ梅鉢、及び六つ梅鉢を2011年に本能寺墓地で見つけて以来、様々な箇所で見つけている。
それらは全て「明田」姓であり、明田姓以外で見られないことから明田氏の独占紋とみても良いだろう。
六つ梅鉢割六つ梅鉢

今年2016年になってから不思議な縁で知り合ったとある人物がいるのだが、
その方と話をする機会があり、私が見つけた珍しい紋などを見て貰いながら家紋の話をしていた。
明田氏の家紋をたまたま見ていた時私が
「これの紋はうちの家紋に似ているけど、紋帖にはない。明田さんという名字だけにみられて・・・」と言ったとき、
「私の親類の寺の檀家さんが明田さんばかりなのです!」と仰った。
驚きを隠せなかった私は即「紹介して欲しい」と即連絡を取って貰い、後日、その寺へ向かうことになった。
その寺はタイトルにも書かせて頂いた「曹洞宗金龍山清源寺」であった。


曹洞宗金龍山清源寺
清源寺
京都府南丹市八木の寺、「曹洞宗金龍山清源寺」は木喰上人が逗留し、上人の目標であった、千躰の仏像を彫り終えた地。
元々天台宗であった寺で、付近の地形や現在残る地名、寺にかつてあったというお堂やその他情報などから推測すると、どうやら小比叡山のような世界を構築したと思われる地の中心的お寺のようだ。
こちらのご本尊は阿弥陀如来座像ですが、手を隠されている非常に珍しいもので、通称「手隠し阿弥陀」。
木喰上人の彫られた羅漢像も当然良いが、お参りの際はご本尊に手を合わされる時に、この非常に珍しい阿弥陀様も注目してみるとよいだろう。

寺にお伺いしたとき、ご住職がせっかくなのでと、檀家さんを呼んで下さった。
ご住職はこちらに来られて5年ということなので、詳しい話は檀家さんの方が詳しいと言うことで及びだて下さった。
檀家さんである明田さんから様々なお話を伺うことが出来た。
位牌や墓も見せて頂いたがほぼ明田氏であり、そこに入れられていた家紋はやはり割六つ梅鉢や六つ梅鉢であった。

明田氏が現在のこの地(南丹市八木)に来たのは応仁の乱での敗戦からであるという。
高槻市には明田町、京丹後市に大宮町明田という地名がある。
これらの地はまだ調べてはいないが、現在の明田氏の中心地は間違い無く八木である。
明田氏は明智氏の流れを汲むという伝説があるが、檀家の明田さんにその件をお伺いしたところ、縁もゆかりも無いそうだ。
「明智は明田の後に亀岡に来たから関係無いと思いますよ」
と笑っておられた。
明智氏が土岐氏族では無いという話もあり、明田氏が土岐氏族との関連も無いとのことで、たまたま南丹市や亀岡市付近で近かっただけの話が世に広がったのかもしれない。

さて、肝心の家紋のことだが、明田さん曰く、「七曜に剣をつけたもの」の可能性が高いという。
応仁の乱において星紋といえばやはり細川氏の九曜である。
敗戦して八木に来たということであれば西軍に属していたのであろうか?
それとも?
色々な考察は出来ると思うが、資料が無いため、想像にしか過ぎない。

今回のエントリーでは触れないが、梅鉢紋は元々は星紋ではなかったか?と私は考えている。
明田氏の家紋が七曜に剣をつけた紋であることが事実であれば、その可能性が大きくなってくるのではと思う。
因みに梅鉢紋が星紋であるという可能性についてはそれなりの確証があり、また後日こちらのブログでも書かせて頂けると思う。

そして今後も明田氏については追っていこうと考えている。


御朱印のご紹介

清源寺さんに新作の朱印が登場しました。
木喰上人の「釈迦如来」の朱印です。(下記右写真)
釈迦如来に木食瓢箪をあしらったこの朱印は書き置きのみで、日付は入りません。
限定では無いですが、ほぼ限定に等しい朱印のようですので、ご興味のある方はお早めに。(要電話確認)
木喰上人はお酒好きだったようで、木喰上人が吞むのに使ったであろう瓢箪を朱印のデザインに使っておられます。
実はこの瓢箪ですが、ご住職が育てられている瓢箪を割ったものを版として使っておられるとのことです!
通常の朱印は「木食羅漢尊」。左写真の左側のもので、右側は旧タイプのもの。
朱印限定朱印
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プロフィール

森本勇矢

Author:森本勇矢
京都市在住。41歳。
本業である染色補正の傍ら家紋研究家として活動する。
一般社団法人京都家紋協会代表。
京都家紋研究会会長。
日本家紋研究会副会長。
月刊『歴史読本』への寄稿をする他、新聞掲載・TV出演など。
著書『日本の家紋大辞典』(日本実業出版社)
家紋制作、家系調査などのお仕事お待ちしております。
ご連絡はFacebook、Twitter、Instagramなどからお願いします。

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