--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-04-07

中岡慎太郎の「綿」の紋は実なのか花なのか

中岡慎太郎の独占紋として有名なのが「綿の実」紋である。

綿の実


稀少紋としても有名で形状はこの一つのみである。
紋帖で「綿」という項目が存在するが、これは器材紋に属する「結綿(ゆいわた)」と呼ばれるものであり植物の綿ではない。
※「結綿」とは真綿の中心を結び束ねたもので祝い事に用いられる。神前への供えや婚礼の進物として用いられた。


さて、この紋だが、インターネットで調べてみると非常に不可思議である。
紋帖では存在せず、ごく一部の家紋図鑑などに載るが、その多くは「綿の実」として掲載される。
しかしネット上では「綿の花」と表現しているところも少なくない。
これでは一体どっちが本当なのか分からなくなってしまう。
実際、私も「どっちが本当なんだ?」と首を傾げてしまった。
様々な人にご意見も伺ったが、その答えもはっきりしない。
「~だと思う」である。

自分としては「~だと思う」ではなく「である」と確証が欲しかったのだが、その答えは得られなかったのだ。


これは改めて自分で調べてみる必要があると思い早速調べてみることにした。
私の職場は実家だ。私の母は植物が非常に好きで屋上で様々な植物を育てている。
私が子供の頃、母が「綿」も育てていたのを思い出し、母にこの紋を見せ、意見を聞いてみたがやはり大した情報を得られなかった。
因みにこの時には綿は無かった。

実物が見れないのでインターネットで調べてみることにした。

6402260_575665959_18large.jpg


花の形状が上記の写真の通りではあるが、組み合った感じがそれっぽい。
確かに言われてみるとそう思えるようでもあるが、しかし何か符に落ちない。


さらにGoogleの画像検索で調べてみたが、綿の実の写真を見る限りでは家紋のような雰囲気にはとても見えないのだ。
そんな中、こんな写真(下記参照)が見つかった。どうやら綿の実がはじけて間もない写真のようだ。

6402260_575665951_93large.jpg


あれ? これ家紋に似てないか?

漠然とそう思えた。
そもそもほとんどの綿の実が4つに別れているが、これはたまたま3つだったので、自分で無理やり納得しようとしてるだけでは?
という思いも巡ったが、自分の中で結論は出始めていた。

綿の実の家紋は弾けるところをデザイン化したものでは?

我が師匠(高澤等氏)に尋ねると、確かにそうかも知れないと。
でも確証もてないよね。と。


これを一つの説として立てておくのも良いかもしれないが、ここは是非真実が欲しい。
そこで私は思い切って電話してみることにした。

どこかって?
http://www.nakaokashintarokan.net/
ここです。

中岡慎太郎館。


電話して質問を早速してみた。
受付の方しかおられなかったが、謎は解けた。

私:「中岡慎太郎氏の家紋は『綿の実』と様々な文献を見ても書いてあります。そのことからも「綿」を用いていることは間違いないのでしょうが、極まれにですが、「綿の花」と解説されている場合もあります。これは『どのような状況を表しているのか分かりますか?」

受付の女性:「綿の実が弾ける様を家紋にした、と聞いております」


自分の説は正しかったようです。
この答えを聞いたときは飛び跳ねるほどに嬉しかった。(実際にはニヤッと不適な笑みが出たくらいだが)

なぜ、中岡慎太郎は「綿の実」を家紋に選んだのか?
この質問に関しては知らないということだった。
担当(?)の方が不在だったためこれ以上は分からなかった。
後にまた聞こうと思っていたが、現状ではまだ聞けていない。

木綿は
「明治以降、政策により綿布の生産が強化されたこともあり、1930年代には輸出量が世界一となった」
という事実がある。
以降の生産は衰退するのだが、
中岡慎太郎が存命の時期は綿のその生産性に「財産」の象徴と見たのかも知れないし、世界に対して発信しているという「綿」を日本の象徴と見たのかもしれない。
弾ける様を紋章としたのは明治維新を象徴した爆発的に日本が変わるという意味合いなのかもしれない。

因みに今回掲載した紋形は微妙に本来の「綿の実紋」の形状とは違っている。
以前、父が中岡慎太郎の着物に付く「綿の実紋」を実際に見て、それを写生したと言っていた。
「形状が少し違っているので、また修正してくれ」
と言われている。
私の『家紋図鑑』ではこの修正した本来の形状の「綿の実紋」を掲載しようと考えている。



【綿の実(わたの実)】
綿はアオイ科の多年草。種子から生じる白い綿毛が繊維として利用される。家紋は綿の実がはじける様をデザインしたものである。


今回のブログは以前にmixi日記で書いたものを加筆修正したもの。
ARK@遊鵺
2011-04-01

地楡(われもこう)

あまり聞き慣れない言葉かも知れませんが、「ワレモコウ」という植物があります。

一般的に用いられる漢字表記は「吾亦紅」が多いようです。
この植物もまた家紋になっています。以下は私が書いた原稿より。


【地楡(われもこう)】
吾亦紅(われもこう)はバラ科の多年生草本。他に我吾紅、吾木香、我毛紅など漢字表記される。赤黒いこの花の命名の際「われもこうありたい」という思いから名付けられたという説がある。根は地楡(ちゆ)という生薬となり、紋名ではこれを当てている。柳生氏の独占紋。


家紋では「地癒(ちゆ)」と書いてワレモコウとあてています。
紋形は一種類しか確認されておらず、いわゆる稀少紋です。
ちなみに使用家の柳生氏は藤原氏族の大和の柳生です。
原稿ではあまり詳しく書けていませんが、図案は唯一『大成武鑑』という武鑑(※)に一つだけ載るようです。

※武鑑とは
武鑑(ぶかん)は、江戸時代に出版された大名や江戸幕府役人の氏名・石高・俸給・家紋などを記した年鑑形式の紳士録。

で、本題なのですが、
家紋の権威書として名高いものに『日本紋章学』という書籍があります。
これは沼田頼輔氏が書いた、現在の紋章学における基礎を築いたものです。

これにワレモコウも掲載されてます。
『大成武鑑』は持ってないので確認出来ませんが、この書に載るのはそれです。

地喩に雀


そしてこれがマツイシステムという会社が作ったデジタルデータを私が少し加工したものです。
(今書いてる本に載せるのは武鑑に掲載されたものをトレース予定。このデータの絵が気に入らないので)

地喩に雀


この『日本紋章学』の「地喩紋」の項に非常に興味深いことが書いてあります。
一説によると、他に方言でワレモコウと名のついた植物があって、これを象ったものであり、分類上薔薇科に属するワレモコウとは別の物であるといっているけれども、まだどちらがこれであるかはわかっていない。
また、実際のワレモコウと形状があまりにも異なります。

数ヶ月前、比叡山に行ったのですが、そのときに実際の「ワレモコウ」も見ました。
明らかに家紋の「地喩に雀」で使われる図案のものと違いました。

この事からもやはりその「謎のワレモコウ」では無いか?

と、疑問符を持つしか無いのです。
どの地方の方言かも分かりません。
ただの流言かも知れませんし、沼田氏の間違いの可能性もあります。

ですが、もしご存じの方がおられましたら、情報を頂けると幸いです。
その情報でまた一つ新たな「謎」が溶けるかもしれません。

ちなみにインターネット上をそれなりに検索してみましたが、それらしきものは出てきませんでした。(検索が甘かったかもしれませんが)



【4/2追記】
本日、再び「ワレモコウ」で検索していたのですが、凄くショックを受けました。
http://ytzcghydsu.jugem.jp/?eid=13
このブログで私が書いた「ワレモコウ」のmixi日記がコピペして掲載されていたのです。
微妙に文章が変だったりしますが、明らかに私が書いた日記そのものです。
これを書いた(?)方の名前はアルファベットをランダムに並べたようにしか見えませんし。。。
他の記事もコピペのように見えます。
記事の中に必ず「めがねフェチ」とあり、怪しげなサイトへのリンクがしてあるので
このブログはそのサイトへ誘導するためのもののようにしか見えません。
非常に不愉快です。

それと「ワレモコウ」について少しだけ進展(?)があったように思えます。
検索すると「ワレモッコウ」の名で呼ばれることもあるようです。
原稿や本ブログでは書いてなかったですが、
一説では「割木瓜(われもこう/われもっこう)」とも。
家紋に関わり合いの深い方であれば、「ワレモコウ」の名を聞くとこっちを想像する可能性は高いですよね。
ここに何かヒントはありそうに思えてならないです。

http://www.hana300.com/waremo1.html
こちらのサイトではワレモコウの花を様々な角度から撮ったものを掲載しておられます。
花をよく見てみると「何かが割れたような形状」のものの複合体に見えなくもないですね。
この形状が「木瓜紋」を連想させたのでしょうか?

木瓜
木瓜紋もまた多くの謎を秘めた紋です。いずれ本ブログにて書かせて頂きます。


仮にそうであったとしても稀少紋である「地喩(われもこう)紋」の形状とは全く違います。

また「唐糸草」という植物があります。
http://www.hana300.com/karait.html
ワレモコウにとてもよく似ており、この植物をワレモコウ、もしくはワレモッコウと勘違いする場合もあるようです。
まぁ、だからなんだ・・・って話しなんですけどね。

それととあるブログのコメントで書いてあったのですが、
子安貝のことをワレモコウと呼ぶ地域があるそうです(千葉?)


結局進展は無いですが、より多くの情報を集めることによって何か分かるかも知れませんね。

そもそも柳生氏「地喩(われもこう)紋」の名称自体が誤りである可能性もあるかも知れませんしね。。。
プロフィール

森本勇矢

Author:森本勇矢


京都市在住。38歳。
本業である染色補正の傍ら家紋研究家として活動する。
京都家紋研究会会長。日本家紋研究会理事。
月刊『歴史読本』への寄稿をする他、新聞掲載・TV出演など。
著書『日本の家紋大辞典』(日本実業出版社)
家紋制作、家系調査などのお仕事お待ちしております。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
訪問者数
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
1626位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
歴史
167位
アクセスランキングを見る>>
リンク
オススメ本

Twitter
カレンダー
03 | 2017/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。